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古代メキシコで、カカオ豆は神様からの贈りものとして非常に貴重なものとされ、すでに10世紀頃から栽培されていました。そのころメキシコの王侯は、カカオ豆を煎って石の上ですりつぶしてバニラやコショウなどを混ぜ、滋養強壮の飲料としていました。また、カカオ豆は通貨としても使われ、奴隷1人がカカオ豆100粒で売買されたといわれています。カカオ樹の学名「テオ・ブロマ・カカオ」とはギリシャ語で「神様の食べもののカカオ」という意味です。
カカオを栽培食物としたのは古代メキシコのマヤ文明です。
カカオをヨーロッパに最初に持ち帰ったのは、クリストファー・コロンブス です。1502年のコロンブス第四次航海は装備も悪く、ほとんど成果を挙げられなかったのですが、現在のホンジュラスからスペインにカカオの種子を運ぶことができました。1525年には早くもスペインがトリニダード島に栽培地を建設、フランスも1660年代にマルティニークでの栽培を開始しました。これは17世紀にココア飲料が流行したためです。
アフリカでのカカオ栽培は現在赤道ギニアの首都があるビオコ島で始まりました。その後、栽培面積を拡大するため黄金海岸(現在のガーナ)にも栽培地を広げました。
アフリカでのカカオ豆生産はイギリスが主体でした。イギリスはカカオの栽培に力を入れ、19世紀にはチョコレート生産が軌道に乗りました。

チョコレートの原料となるカカオの樹は高温多湿の気候を好むため、起源地である中南米をはじめカリブ海周辺の島々、アフリカや東南アジアなどで栽培されています。7~8年で成木となり、高さは8~10メートルにもなります。カカオは一年中薄桃色の花をたくさん咲かせますが、成熟した果実にまで育つのはそのうちのごく一部の花のみです。
10~30cmくらいのラグビーボール型をしているカカオの実は"ポッド"と呼ばれ、硬い殻の内部には白い果肉があります。その果肉に包まれて種子・カカオ豆が入っています。1つの実に30~40個のカカオ豆が入っており、1キロのカカオ豆を得るためには約20個のカカオポッドが必要です。
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おいしいチョコレートの決め手は、カカオ豆の醗酵・乾燥 |
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収穫したカカオポッドからカカオ豆を取り出し醗酵させます。この醗酵によってカカオ豆の味ができる、といっても過言でないほど重要な作業です。醗酵の仕方は地域によって多少異なりますが、バナナの皮を果肉のついたままカカオ豆にかぶせて醗酵させたりします。醗酵させることにより、果肉の部分が腐って白い果肉と豆を分離し、渋味やえぐみが取り除かれます。またカカオ豆に含まれている糖分をアルコールに変化させることでチョコレートの香りが作り出されます。醗酵させた豆はまだ水分を含んでいるため、長期保存できるように乾燥させます。乾燥が終わると各国に輸出されます。
カカオ豆は赤道を中心に南北緯度20度以内の年間平均気温27℃以上・高温多湿の国々で栽培されています。
主な生産国は、西アフリカ諸国のガーナ、アイボリーコースト、ナイジェリア、および東南アジアのマレーシア、インドネシア、そして
中南米諸国のブラジル、エクアドル、ベネズエラ、コスタリカ、ジャマイカなどです。
カカオ豆の味は産地によって異なります。それは、カカオの品種、栽培する土地の環境、醗酵方法の違いなどからきます。同じ品種でも栽培される国によって味が違ってきます。カカオの起源地は、アマゾン川上流地帯とも、メキシコなど中米地帯とも言われ、その結果でしょうか、パナマ運河あたりを境にして、北部のカカオ豆は白っぽく、南部のものは紫がかったものになったのです。
クリオロ種
"自分の国のもの"という意味で、カカオ豆のオリジナルの品種です。カカオ豆を栽培して初めてヨーロッパに輸出したのはベネズエラで、パナマ運河北に原生していた白っぽい豆を自国で栽培して輸出したのでこの名前がつきました。病虫害にも弱く、1本の樹から取れる豆の収穫量は少量なので、今では貴重品です。
全体の1%程の生産量です。
生産地:トリニダード、カリブ、赤道付近、中南北
特徴:香り高く、苦み・甘みが強い。酸味はありません。
フォラステロ種
"外国のもの"という意味。クリオロ種以外のものをこう呼んでいました。病虫害にも強く生産性にもすぐれており、世界中の生産量の90%を占めています。
生産地:ブラジル、コートジボアール、赤道付近
特徴:香りは弱く、苦み、酸味が強い。
トリニタリオ種
カリブ海のトリニダード島でできた、クリオロ種とフォラステロ種の交配でできた品種。全体の約10%程の生産量を占めています。
生産地:コロンビア、ベネズエラ、メキシコ、カリブ、トリニダード、赤道付近
特徴:クリオロ種とフォラステロ種の中間の性質を持っています。
《その他》アリバ種
エクアドルで栽培されているフォラステロ系の品種。
特徴:フローラルな香り。マイルドでソフトなスパイシーフレーバーがあります。
ベネズエラ、エクアドル、ブラジル、パプアニューギニア、インドネシア、ガーナ、アイボリーコースト、ナイジェリアなど。
ベリーズ・チョコレートは、高品質なカカオ豆の産地として知られる、ガーナ産のカカオ豆を原料にしています。
カカオ豆の貿易に参加している国は多くありません。輸出では、
コートジボワール(100万4000トン)
インドネシア(36万6000トン)
ガーナ(31万1000トン)
ナイジェリア(18万1000トン)
カメルーン(12万9000トン)
上位5カ国だけでほぼ100%を占めます。
なぜならば、これ以外の国では、カカオ豆の形ではなく、自国の食品工業で加工してから輸出しているためなのです。
輸入国は、オランダ(49万5000トン)、アメリカ(32万3000トン)、ドイツ(20万5000トン)、マレーシア(16万4000トン)、フランス(13万9000トン)の5カ国でほぼ100%となる。
マレーシアはカカオ加工において優れた国です。インドネシア産のカカオなどを輸入し、製品を輸出しています。
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